神様がくれたインド旅

~ある夜突然、頭に浮かんだインドの地名“バスタール”  それだけを理由に訪れた初のバックパックの旅。これは、その一部始終をつづった旅日記です~

vol.11 インドのバスに乗る!

神様からのメッセージには、実はインド旅では完結していなかった!!

このブログの後のお話は、『君は神だ☆』と言われましても・・・をご覧ください。

 

このブログを最初から読みたい方は、

vol.01 突然、謎の文字が頭に浮かびまして・・・からご覧ください。

 

 

まずトイレを探し始めると、あっけなく見つかった。

バスターミナルの反対側に公衆便所がある。

 

ビーチサンダルでは足が濡れてしまいそうなほど

トイレの床に水が撒かれていて、

僕はつま先だけで便器まで歩いた。

 

小便器は身長173cmの僕でも、

やや上に放物線を描かないと小便が入らない。

僕より背が低い人のほうが多そうなのに、

みんなどうやって用を足しているのかと考えながら外に戻ると、

怖い顔のおじさんが5ルピー払えと言っている。

どうやら無料ではないらしい。

 

設備としては決して優良ではないのに有料なのは

少しショックだったが仕方ない。

 

お金を払ったあとに気づいたのだが、

現地の人はトイレ付近の壁で立小便している。

 

「なるほど高くて使わないわな。」といったん納得したものの、

はたして高いのは5ルピーなのかあるいは小便器なのかは疑問だ。

 

現地語さえわかればぜひ聞いてみたいものだと思いながら

待合所のベンチに戻ると、

ベンチの横の扉の奥に無料トイレがあるのを見つけて、

新喜劇ばりにずっこけそうになった。

 

気を取り直して、Leonが持たせてくれたサンドイッチを食べた。

横はトイレ、向こう側には有料トイレと立小便の長壁、

あたり一面に牛の糞尿、

そして無数の男性たちが2分に一度は唾を吐く。

 

この状況で食事をしだした自分はきっとどうかしていた。

食べ終わるまで平静な気持ちで居られたのは、

こんな最悪な状況でも有り余る美味しさのサンドイッチのおかげだった。

 

そのあと物乞いが寄ってきたり、

ホームレスがベンチの僕の隣で寝転がったりしたが、

無事にバスに乗りJeyporeに別れを告げた。

 

13時30分発予定のバスは14時前に出発し、

Bastarいちの街Jagdalpurに着いたのはたしか16時30分ごろだった。

 

道中で一番気にしていたのは、

スマホのインターネットがつながるかだった。

実はWi-Fi環境以外では一度もつながっていない。

VisakhapatnamのSIMショップ店員が恨めしい。

若くてやる気もありそうな彼らだったから、

スムーズにはいかなかったもののつながりさえすればそれでよかった。

 

しかしいま思い出すと変だ。
「Visakhapatnamに戻るのは4,5日あとになるから、

それまではつながるように設定してくれ」と伝えたつもりだ。

 

しかし店を出るときに、

「何かトラブルがあったら今夜来てくれ!」とどや顔で言っていた。

Visakhapatnamに戻ったら決着をつけなければならない。

 

おんぼろのバスの中で僕は運転席の隣に座った。

バスはインド国産TATA製で市とレイアウトも日本車とは少し異なる。

運転席のすぐうしろに3人くらい座れるベンチシートがあるのだ。

通路を挟んで僕の席がある。

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バスの運転席には、ヒンドゥー神のイラストが並ぶ

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青い部分がベンチシートになっている

若い母親と3歳くらいの男の子が、

最初は別の席に乗っていたが発車してから

このベンチシートに移動した。

どうも男の子が運転席からの眺めをみたいとせがんだようだ。

 

しばらくは前の眺めに見入っていたが、

飽きた後は興味の対象が僕に移った。

 

「ヒンズー語はわかるか?」と母親が訪ねてきた。

「わからない」と言ってヒンズー語指さし会話帳を差し出すと、

興味津々に見てくれた。

 

親子のベンチシートに席を移し指さしで会話した結果、

Jagdalpurで待っている母親の弟が、

僕が行く予定のホテルより安い宿を紹介してくれることになった。

 

会話はとても楽しかった。

ただベンチシートの構造上、

親子は進行方向に座っているのに対して、

僕だけ後ろ向けに座らざるを得なかった。

結果、残りの2時間ほど満席のインド人達の視線を、

一手に集めることになった。