神様がくれたインド旅

~ある夜突然、頭に浮かんだインドの地名“バスタール”  それだけを理由に訪れた初のバックパックの旅。これは、その一部始終をつづった旅日記です~

vol.03 人はやったことよりも、やらなかったことに後悔する。

気がつくと僕はパソコンモニターの5cmほど前で、

目をむいて画面を見ていた。

 

気がついてからもまた、しばらくはその状態で放心していた。

検索結果のTOPには、こう表示されている。

 

”バスタール|インドみどころMAP”

 

丁か半か、そのさいの目に全て委ねたはずが、結果が出るや否や反論の余地を探す。

  ・思いついた言葉が実在する確率は?

  ・潜在意識で知っている言葉を顕在化する方法は?

  ・バスタオルを何回もじったらバスタールと思いつく?

 

だめだ、答えの求め方が分からない。

 

数学っぽいが大の苦手だ。

「どなたかこの中に、数学者はいらっしゃいませんかー?」

 

どれくらいの時間パニックだったのか。

平静な自分を取り戻したのは、午前1時を回った頃だった。

 

翌日から僕は、あらゆる知人に尋ねた。

数学者ではなく、バックパッカーやインド居住歴のある人、

スピリチュアルな人、カレー屋さん、あらゆる友人、

知人にこの話をして助言を求めた。

 

突然の告白に最初はみんな「え``っ!?」というのだが、

話の終わりごろにはニヤニヤしている。

そして「それは行くべきだ!」と口をそろえる。

それを聞いた僕もなぜかニヤニヤしてこう言う。

「ですよねぇ。」

 

そうなのだ。なんだかんだ言って結局インドに行きたい!

大学3回生の時、インドを旅するための休学を考えた。

今は亡き親友と大学の窓口まで休学届をもらいに行った。

しかし行けなかった。いや、行かなかった。

 

当時買った地球の歩き方は、今もどこかにしまってあるはずだった。

いつか必ず行くために。

だが、いくら探しても出てこない。

行きたい想いも地球の歩き方も、いつの間にか処分してしまっていたのだ。

 

このさき年老いて海外旅行にも行けなくなった時にふいに思い出して、

あれもやっていなかったと嘆くのかもしれない。

どこかで聞いた偉人の言葉がある。

 

”人はやったことよりも、やらなかったことに後悔する。”